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辻村深月はメフィスト賞作家の中でも読みやすい作家だと思っています。といっても他は「凍りのくじら」しか読んだことがないが。 ただ,その描写は痛々しくて物悲しい。 「ぼく」の幼なじみであるふみちゃんは,大切に世話していた学校のうさぎが無残にも殺され,その犯人にひどい言葉をかけられたことで心を閉ざしてしまいます。 「ぼく」はふみちゃんを傷つけた市川雄太に,自分がもつ「声」の力を利用して罰を与えようとするのですが…。 主人公の「ぼく」のものの考え方が深すぎるとは思いました。小学生の主人公にここまでの課題を与えることは酷な気がする。 ラストで「ぼく」は「ぼくはふみちゃんのことが好きなんかじゃないんです」と言い,「人間は身勝手で,絶対に,誰か他人のために泣いたりできないんだって本当ですか」と問いかけます。 このせりふは本当に切ない。 無償の愛なんてなくて,自分にも間違いなく何か得るものがあるから他人のことを思えるんだ,というある種突き放したた考えをあまりに具体的に表現してしまっているから。 ここまで突き詰めてしまうのか,と物凄い切なさを覚えました。 でもその問いに対する答えで,少し救われた気がします。 ちなみに辻村深月という作家は作品同士のリンクが強い作家なようで,彼女の他作品(「子どもたちは夜と遊ぶ」)にも「ぼくのメジャースプーン」の登場人物が出てくるらしい(というか,そちらが先)。 他の作品も読んでみたいです。
by andhyphen
| 2009-05-06 21:42
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